前作「サーチエイド」は発売されてから10年以上が経ち、OSが変わる毎に細かい修正を重ねてまいりましたが、さすがに基本構造が古くなっていることと、Windows8以降のスクリーンリーダーとの併用で発生するようになった問題解決のため、最新の開発環境とプログラミング言語で一から作り直すことになりました。しかしベータ版公開後にお試しいただければ気付かれると思いますが、サーチエイドの全てのコマンドがそのまま使え、違和感なく移行できるようになっております。そしてVoicePopper3からVoicePopper4への大幅な改善と比べますと地味な内容とはなりますが、下記のような改善点があります。
前作「サーチエイド」では、１台のパソコンを一人だけで使うことを想定して作られており、プライバシーに関わる検索キーワード履歴などの情報もユーザごとに分けられておらず、ご家族が同じパソコンでサーチエイドを利用されるケースでは、家族が検索したキーワードが分かってしまうという不都合がありました。
本作「サーチエイド2」では、現代的なWindowsアプリケーションの流儀に則って、特定のWindowsログインユーザだけが閲覧できる場所にユーザデータを置くことにしました。この変更により、複数のWindowsログインユーザが、互いのプライバシーを守りながら、１台のパソコンで、自分用にカスタマイズされたサーチエイドを利用できるようになります。検索履歴をこまめに削除する必要はもうありません。
HTMLの解析アルゴリズムの改善により、検索結果本文の表示やウェブ閲覧時の表示の速度が大幅に向上しました。その効果を試す一例として、ウィキペディアで「日本」をキーワードに検索し、結果が出る時間を比較してみてください。前作「サーチエイド」では、結果が出るまで数分かかると思います。ウィキペディアの「日本」のページはリンク数が膨大でそれを解析するのに時間がかかるのです。しかし本作「サーチエイド2」ではウェブページのダウンロードに３、４秒ほどかかった後、ほぼ一瞬で解析を終えて読み上げを始めます。リンクが多いページの閲覧が、従来よりとても快適になります。
ユニコードとは、世界中で使われる全ての文字を一つのコード体系で利用できるようにしようという考えで作られたものです。現在はウェブサイトの多くが、文字コードとしてユニコード(UTF-8)を採用しており、ウェブページに多言語が混在することも少なくありません。そのため晴眼者向けの全てのウェブブラウザは既にユニコードに対応していますが、音声対応ソフトの世界では対応が遅れており、日本語SJISコードの範囲外の文字表示が文字化けする状況が続いていました。サーチエイドでは、前作ではできていなかったユニコード対応のネット検索結果表示やウェブ閲覧に、本作で対応しました。